引っ越し:環境変化で崩さない段取り

引っ越しは犬猫にとって「知らない匂い・大きい音・人の出入り・生活リズムの変化」が一気に起きるイベントです。大切なのは気合ではなく、前もって“安心できる逃げ場”と“当日の安全”を作ること。準備の順番、当日の過ごし方、引っ越し後1週間の整え方をまとめます。

引っ越し:環境変化で崩さない段取り

引っ越しは、人間でも疲れます。犬猫にとってはもっと大きい出来事です。

知らない匂い、荷造りの音、知らない人の出入り、家具が消える不安。さらに移動まで重なると、体調や行動が崩れることがあります。

ただ、必要以上に怖がる必要もありません。

引っ越しで崩れやすい原因はだいたい決まっていて、そこを先に潰せば、犬猫は思ったより落ち着いてくれます。

先に結論(崩さないための核心)

  1. 引っ越し前に「避難部屋」を作る(ここだけは静か・安全)
  2. 当日は“移動より前”に事故を防ぐ(脱走・誤飲・熱中症)
  3. 新居は「寝床・トイレ・水」を最優先で固定
  4. 最初の1週間は広げすぎない(行動範囲は段階的)

引っ越しで崩れやすいのは「この4つ」

まず、犬猫が崩れる原因を分解します。対策が的確になります。

  • ① 音と人の出入り:作業音、インターホン、知らない人の気配
  • ② 家具が減る:匂いの地図が崩れて落ち着かなくなる
  • ③ 生活リズムの乱れ:食事・遊び・休息のタイミングがズレる
  • ④ 移動と新居:キャリー、車、見知らぬ場所そのもの

ここでの目標は「ストレスをゼロ」にすることではなく、不安が爆発する条件を減らすことです。

よくある失敗

荷造りしながら「大丈夫だよ」と声をかけ続けても、犬猫は落ち着きません。犬猫に効くのは言葉より、環境が静かで安全であることです。

2週間前から:まず「避難部屋」を作る

引っ越し準備の最優先は、荷造りより先に避難部屋を決めることです。

ここは犬猫が「いつも通りでいられる場所」で、準備が進んでも変えません。

避難部屋に置くもの(最小)

  • 寝床(いつもの毛布やベッド)
  • (こぼれにくい器)
  • トイレ(猫は特に重要)
  • 安心できる物(よく使うタオル・おもちゃなど)

ポイントは「新しく買った物」より、匂いが付いた“いつもの物”です。

猫は「閉め切れる部屋」が基本

猫は脱走のリスクが上がります。避難部屋は必ず扉が閉まる部屋にします。

犬は「刺激を減らす」だけで落ち着くことが多い

犬は人の動きに反応しやすいので、避難部屋を作ったら、そこで休む時間を増やすと安定します。

1週間前:移動の準備は「慣らす」が勝ち

当日いきなりキャリーに入れると、そこで嫌な記憶が付きやすいです。

可能なら、引っ越し前からキャリーを“普通の物”にしておくとラクになります。

  • キャリーを部屋に出しておく(しまわない)
  • 中にタオルや毛布を入れて、落ち着ける場所にする
  • 短時間だけ入る→すぐ出る、を繰り返す

「慣らす」は一気にやるより、短時間を積み重ねた方がうまくいきます。

首輪・迷子札・連絡先は最優先

引っ越し前後は脱走が起きやすい時期です。首輪が合っているか、迷子札の連絡先が古くないかは早めに確認しておくと安心です。

当日:いちばん怖いのは「脱走」と「誤飲」

引っ越し当日は、犬猫の移動そのものより、家がバタバタする時間が危険です。

当日の基本(この順番)

  1. 犬猫は避難部屋に入れる(扉に「開けない」メモ)
  2. 作業員の出入り中は絶対に出さない
  3. 最後にキャリーへ(落ち着いてから移動)
  4. 新居に着いたら最初に避難部屋を作る

猫は特に、ドアが開いた一瞬で外に出ることがあります。犬も興奮して飛び出すことがあります。

「一瞬くらい大丈夫」が事故の入口なので、当日は物理的に出られない状態を作るのが確実です。

食事は「いつも通り」が基本、無理に増やさない

当日は食欲が落ちることもあります。無理に食べさせようとせず、水分は切らさないようにします。

吐きやすい子は、移動前の食事量を控えめにする判断もあります(心配なら事前に相談が安全です)。

新居:最初に整えるのは「寝床・トイレ・水」

新居で最初にやることは、段ボールを開けることではありません。

犬猫が落ち着くための「生活の芯」を先に作ります。

新居で最初の30分にやること

  • 避難部屋を作る(扉が閉まる部屋)
  • 寝床を置く(匂いの付いた物)
  • を置く
  • トイレを置く(猫は最優先)

猫は最初の数日は、部屋を広げない方が落ち着くことが多いです。

犬は散歩や遊びで発散できる子もいますが、それでも最初は疲れやすいので、休ませる時間を確保します。

引っ越し後1週間:広げすぎない、増やしすぎない

最初の1週間は「新しい物を増やす」「部屋を全部開放する」を急がない方が安定します。

  • :まず1部屋で生活を成立させる → 落ち着いたら少しずつ広げる
  • :落ち着ける場所を固定する → 興奮しやすい子は刺激を減らす

ここでのコツは、犬猫の“平常運転”を戻すことです。

食事の時間、トイレの場所、寝る場所が固まると、一気に落ち着きます。

様子の変化があるとき

食欲が落ちる、トイレが乱れる、隠れる、吠えやすいなどは一時的に起きることがあります。ただ、ぐったりする、吐き続ける、排泄が極端に減るなどがあれば早めに相談した方が安心です。

当日に困らないための「持ち物」だけ固定しておく

引っ越し当日は、探し物があるだけで崩れます。

犬猫の物は「この袋だけ」と決めて、先にまとめておくと安心です。

犬猫の当日セット(最低限)

  • フード(1〜2日分)
  • 水・器
  • トイレ用品(猫砂・シートなど)
  • いつもの毛布・タオル
  • うんち袋、ウェットシート
  • 常備薬がある子は忘れない